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喘息という疾患は”common disease”であり、患者さんの約80%は喘息を専門としていないクリニックなどで受診されています。そこで、日本喘息学会では「非専門医の先生方による喘息診療をいかに行うか?」という観点から診療ガイドラインを作成しました。診断においては問診を最も重要なポイントとしてとらえ、また治療においては個々人の患者さんに最適な治療法を考える“Precision Medicine”と、喘息の多様な臨床症状と患者さんごとの背景などを検討して最良の治療法を選択する“Treatable traitapproach”を見据えた診療ガイドラインとなっています。

『喘息診療実践ガイドライン』は2021年版の発刊以来、最新の情報を盛り込んで改訂を重ね、今回の2024年版は3回目の改訂になります。今回の改訂では、検討が重ねられ、次のような改訂を行いました。

  • 項目ごとの「改訂のポイント」が示されました。
  • 喘息を疑ってからどのように診療が進められるかをすぐに理解していただけるように、本ガイドラインの構成に沿って「一目でわかる喘息診療の基本的ロードマップ」が新たに作成されました。
  • 喘息の分類が旧来のアトピー型喘息・非アトピー型喘息から、『タイプ2喘息・低タイプ2喘息』に変更されました。重症喘息の一部ではタイプ2炎症の関与が乏しい症例(低タイプ2喘息あるいは非タイプ2喘息)が認められることが示されました。
  • 検査・評価の章に、適切な評価と定期的なモニタリングによって効果的な喘息治療と予後改善を図ることが可能となる「血中好酸球数」が新たな項目として解説されました。
  • 喘息治療のフローでは、中用量ICS/LABAにより治療を開始してコントロール不十分/不良の場合に“Treatable traits”を抽出し、「タイプ2炎症」「咳、痰、気流制限」「鼻炎」「GERD」などの要因を挙げて、基本的な治療の追加など個別の対応が必要であることが示されました。
  • さまざまな疾患ですぐれた効果を示す生物学的製剤について、「投与対象者」「投与前の確認事項」「薬剤選択」「投与中モニタリング」が『生物学的製剤の適正使用』として簡潔明瞭に示されました。
  • 『吸入療法など』では、必要に応じて二次元コードを示すことによって『吸入療法エキスパートのためのガイドブック2023』との連携を図っています。
  • 『小児の喘息』の治療を充実させるために新たに章として独立させて「病態、診断」「喘息コントロールの評価」「治療」が解説されました。

上記のほかにも、「喘息の病態」「診断」「検査・評価」「治療」「合併症」など全編にわたって最新の情報が反映されて、喘息を専門としない医師や医療従事者だけでなく、喘息の患者さんの診療に関わる方々にとっての必携の書としてより高い完成度の診療ガイドラインとなっています。

喘息診療実践ガイドライン2024

¥2,420価格
  • 協和企画

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